きっかけはアダルトゲーム(強制わいせつ、児童ポルノ禁止法違反)

強制わいせつ
  • 大阪地方裁判所:第2刑事部1係
  • 罪名:強制わいせつ、児童売春・ポルノ禁止法違反
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下校中を狙って

 2022年2月下旬ごろ、大阪市内の路上において、小学校を下校中の女児A(10)を建設作業員の男(35)がつけ回した。
 男は女児に声をかけると、マンションの一画に連れ込み、女児にポーズをとらせて裸姿を動画撮影したり、陰部に指を挿入したりした。
 本件は、別件捜査中に男のスマートフォンから動画が発見されたことから発覚。女児の母親は捜査機関に対し、「娘には一生心に傷が残ると思います。見ているだけで辛いです。こんな男が野放しになるのなら警察は必要ありません。厳重に処罰してください」と訴えている。

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ロリコンは高校時代から

 高校時代に友人から借りたアダルトゲームがきっかけで小さい女の子に興味を持つようになった男は、20代半ばから女児を追いかけ回すようになった。18年に横浜地裁で詐欺と窃盗の罪で懲役2年の実刑判決を受け、今回の事件は出所後わずか1年半での犯行であった。
 被害女児のことは以前から知っていたわけではなく、わいせつ目的でうろついていたら偶然見かけたのがAちゃんであった。「この子であれば騒がないだろう」と思った。
弁護人「今どう思いますか?」
男「ひどいことをしてしまったと思います」
弁護人「出所後に犯罪を犯してしまうとどうなるかわかっていましたか」
男「より厳しい罰を受けると。でも、どうなるのかを考えたのは(犯行が)終わった後になってからでした」
 動画の中では、女児に自分の名前や通っている小学校を言わせる一幕がある。男は脅迫目的でなく、興味本位だと語っていたが、動画のデータが他人の手に渡っていたらと考えるとぞっとする。
弁護人「今後、性欲が抑えられなくなったらどうするんですか」
男「そういう所に行こうかと……」
弁護人「そういう所というには、風俗店?」
男「そうです」
 成人女性にも興味はあるというのが男の言い分であった。

打ち明けられない苦しみ

 検察側は、Aちゃんが母親に依然、被害について話していないことに触れた。その上で、極めて下劣な犯行を断じ、懲役3年を求刑した。
 弁護側は、性犯罪は今回が初めてであり、更生の意欲もあるとして寛大な判決を求めた。
 判決は、懲役2年6月(未決勾留日数20日を算入)であった。
 被害者やその家族の苦しみは察するに余りあり、出所後1年半での犯行が強い非難に値するとの理由だった。裁判官は最後に、「10歳の女の子にひどいことをして、たくさんの人を苦しませたことに思いを致してほしい」と諭した。

 本件の事件現場は私の自宅近所だ。小学生が登下校する様子は普段から見ているし、それほど治安の悪い印象も無いだけに、自分にとっては衝撃的な事件だった。

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