下着泥棒の家から出てきたのは大量のパッド(窃盗、住居侵入)

住居侵入
  • 大阪地方裁判所:第5刑事部2係
  • 罪名:窃盗、住居侵入
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7階のベランダに

 2021年9月24日午後9時半ごろ、大阪市の市営住宅にて、西成区の元会社員の男(29)がベランダをよじ登った。7階の窓から外を見ていた幼い少女が男を見つけ、「登ってきて入ってくる!」と母親を呼び、母親は下着を物色している男を発見。通報を受けて駆けつけた警察官に男は逮捕された。
 男は15年12月から翌年2月の間に3件の盗撮事件を起こして、罰金50万円の略式命令を受けている。

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見つかったのはブラパッドだけ

 その後の捜索で、男の自宅からはブラジャーのパッドが大量に見つかった。すべて左側のパッドである。
 男はブラジャーを自慰行為に使ったあと、盗んだベランダへ必ず返却に行っていた。パッドを抜き取っていたのは、すでに盗んだブラジャーかどうかを暗闇の中でも見分けるためだという。男は同じ手口で、20年11月ごろから10回ほど下着を盗み続けていた。

「潔癖症なので……」

 盗撮の発覚後、男は性障害の治療のためカウンセリングを受けていたが、やがて通院をやめてしまった。
弁護人「どうしてこのような犯行を?」
男「欲求を抑えられませんでした。スリルがたまらなかった」
弁護人「下着を元の場所に戻していたのはどうして?」
男「バレないようにです。汚してもいません」
 男は自分が潔癖症であるといい、だからブラジャーしか盗んでいないし、精液をかけることもしなかったのだと述べた。
検察官「いけないこととは思っていなかったのか」
男「最初はダメだと思っていました」
検察官「ではなぜ、やめようとしなかったの?」
男「気持ちが甘かったからです」
 保釈されてから、男は通院を再開し、グループミーティングにも参加しているという。

母娘の苦痛

 被害者となった母親は「子供になにかあったら」と2ヶ月間仕事に行けなかった。昼間でもカーテンを閉めたままにするようになり、娘は事件のことを怖がってなかなか寝つけないようになった。
「被告人は示談金の話ばかりしてくる。なぜ私たちがびくびくしなければならないのか」という母親の悲痛な叫びが検察官によって読み上げられた。

残った疑問

 検察側は、「身勝手で常習的な犯行であり、前科もあることから犯罪傾向が深化している。被害者の嫌悪感は当然だ」として懲役2年を求刑した。
 弁護側は、犯行の態様はありふれたもので同種事案の中では重くないとし、余罪も含めて自供して、通院を再開し再犯防止に努めているとして、寛大な処分を求めた。
 最後に男は、「被害者の方に申し訳ない気持ちでいっぱいです。支えてくれている人を裏切ってしまった。今後はこのようなことがないようにします」と陳謝した。
 判決は、懲役1年4月執行猶予3年であった。

 それにしても、片側のパッドが無くなったブラをそのままもう一度干す人はいるのだろうかと、首をかしげた裁判であった。

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