男は下着を盗んだその日に舞い戻った(窃盗、住居侵入)

住居侵入
  • 刑事裁判:大阪地方裁判所
  • 罪名:窃盗、住居侵入
スポンサーリンク

寝ている隙に

 2021年8月12日午前8時ごろ、大阪市淀川区のマンションにて、女性Aさんの部屋に同区・土木作業員の男(42)が侵入した。入ってきた玄関は無施錠で、寝ているAさんは男に気づかなかった。
 男は玄関内横の洗濯機から下着を盗み、自宅に戻った。飲酒を始めた彼は盗んだ下着を嗅いで自慰をしようとするも、「くさくて使えずに悶々して」なんとAさん宅に再侵入した。寝ているAさんの体を触ろうと考えたのだ。
 横になっているAさんの足元まで近づいたところで、人の気配に目覚めたAさんは大声を上げ、男は逃走。数日後に、男は逮捕された。
 その後の捜査で、男は同年4月18日に同区で、7月29日には豊中市で、パンツやブラジャーなど合計4点を盗んでいたことが判明し、被害総額は8500円に上った。

スポンサーリンク

「買わなくても盗めばいい」

 男は同種3犯を含む前科5犯の持ち主で、前刑では懲役2年6月の実刑判決を受けた。これが2度目の服役で、20年9月に仮釈放されたが、その後も下着泥棒を繰り返していた。
弁護人「8月12日の事件について聞きます。この日に下着を盗もうと考えたきっかけは?」
男「盆休みでやることがなく、好奇心で」
弁護人「なぜ2回も侵入したんですか?」
男「1回目の後、酒を飲んだら勢いでやってしまいました」
弁護人「いつもどのくらいの量を飲んでる?」
男「休みの日は朝から夜まで、缶ビールを10本くらい飲んでます」
 以前起こした事件のどれもが酒の勢いの結果だったという男は、保護観察や性犯罪プログラムを受けたことがある。しかし、豊中市のマンションでは、指紋を残さないようにゴム手袋を着けて2階のベランダによじ登るなど、手口が巧妙になるばかりであった。Aさん宅の玄関はいつも鍵がかかっていないことも把握していた。「日本は安全な国だと思っていた」というAさんの供述が調書に残されている。Aさんは来日したばかりの外国人なのだ。
検察官「犯罪を犯すと、また刑務所に入ることになるとは考えなかった?」
男「自分の意思の方が強くなってしまって、前科を忘れてしまいました」
検察官「今回はどうして下着を盗むだけでなく、Aさんを触ろうとした?」
男「起きて騒がれるから触るつもりはなかったです。顔を見るだけで、スリルと好奇心が目的です」
 弁護人からも2回目の侵入の目的を聞かれていたが、「触るつもりはなかった」の一点張りだった。裁判長からは調書にある、「20代後半からブルセラショップに通っていた」という供述について尋ねられた。男は「買わなくても盗めばいいやと考えるようになった」と振り返った。

外国人の被害者が増える今後

 判決は、懲役2年6月(求刑・3年6月)であった。前科5犯であるにもかかわらず、出所後わずか2ヶ月半で1件目の犯行におよんだことを、裁判長は厳しく指摘した。

 在留外国人の増加で治安の悪化を懸念する声は多いが、外国人が被害者となる事件にも目を向けなければならない。今回のように、性犯罪に外国人が巻き込まれるケースは残念ながら珍しくないのだ。ただでさえ通訳人が不足している司法行政の現場で、性犯罪被害者への対応ともなると、言語以外への配慮も求められる。
 現在、全国の都道府県警が通訳人の育成に力を注いでいる。

ページが見つかりませんでした : 読売新聞オンライン
【読売新聞】

 法廷通訳をされている方も大変な苦労があると聞く。いつか取材してみたい。

コメント

タイトルとURLをコピーしました