〝ノーマスク男〟こと奥野淳也氏へのインタビュー詳報③

公務執行妨害

 2022年5月17日から始まった長きに渡る公判は12月14日、懲役2年執行猶予4年(求刑・懲役4年)の有罪判決が下され、一審は終結した。
 奥野氏は判決直後に私のインタビューに応じ、心境や裁判の裏側を語った。

メディア陣の取材に応じる奥野淳也被告(撮影=櫛麻有)

 なお、事件の詳細レポートや過去のインタビューは以下の記事をご覧ください。

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判決について

――今日になって、法廷内からすべてのアクリル板が撤去されていました。
 実はあれ、私が意見書出してたんです。加藤厚労相がアクリル板を撤去して会見したことと、判決なので会話が無いという2点を示しました。撤去されているのを見て、「いい判決が来るのかな」と正直期待しました。
――判決文の読み上げがものすごい早口だったことはどう思われましたか?
 誠実性が無いんだなと。自分の判決に自信があるのであれば一言一言、噛みしめるように読むべきです、判決って重いんで。(※判決公判は2時間の予定であったが、40分で終了した。)
――有罪判決となりました。
 無罪を出したくがないための方便です。傷害罪を暴行罪に下げたのに、その暴行の内容を特定していない。他の罪状についても、証言をそのまま認定しているだけでした。
――「ノーマスクを主張するのはいいが、暴力はよくない」という識者の意見があります。
 前提からしておかしいんです。私は暴行や妨害をしていないのに、ノーマスクの部分だけを切り取ってコメントするのは筋違い。きちんと調べずに発言しているんでしょうね。
――控訴の予定は?
 今の時点ではノーコメントですが、逆転無罪はあり得ます。(※12月27日、奥野氏は控訴した。)

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トランプ氏や旧統一教会について

――最近だと、トランプ氏や旧統一教会も「魔女狩り」と発言しています。
 欧米だと「魔女狩り」って言い回しはよく使われるんです。今回は、悪者だと決めつけて火あぶりにするという例えで使いました。大衆の中に「魔女狩り」をしたいという感情は常にあるんですよ。それに裁判所が乗ってしまった。
――トランプさんもノーマスクの立場ですが、影響は受けている?
 「魔女狩り」が被っちゃうからやめようかなと思ったんですが、ノーマスクについては個人的にずっと思っていることで影響は受けていません。

 判決の内容についても奥野氏は、マスコミの囲み取材より一歩踏み込んで感想を語った。被告本人であっても、判決文が手元に渡るまでは謄写の関係で時間を要する。内容についての感想は後日改めて取材する予定だ。

コメント

  1. Reflex より:

    奥野氏は優秀な政治学の研究者だと思うので、このようにスケープゴート化されてしまうのがとても残念。法整備が整っている海外であれば罰金で済む程度の話で、メディアの話題にもならないつまらない事件。だからこれは政治家の怠慢が招いた悲劇。いつかスウェーデンのコロナ対策と日本を比較した論文でも発表してもらいたい。

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