「いつどこで自分の裸が見られるかと思うと……」被害者の叫び(リベンジポルノ防止法違反)

リベンジポルノ防止法
  • 大阪地方裁判所:第5刑事部2係
  • 罪名:リベンジポルノ禁止法違反、強要未遂
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復縁をせまって

 2022年6月7日、茨城県水戸市の飲食店従業員の男(21)が元交際相手の女性AをLINE上で「名前、住所、電話番号、ハメ撮り全部晒す。マジで許さない。クソアマが」などと脅し、復縁を強要した。
 その後、男は実際にAさんの顔や胸部が写った写真をサーバー上にアップロードし、URLを知っている者なら誰でも閲覧ができる状態に設定した。Aさんが被害に気づき、捜査が始まる前には投稿が削除されていたものの、写真データはすでに約400回ダウンロードされていた。

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恐怖のLINE

 二人はオンラインゲームで知り合って交際を始めた。性交の際に裸の写真を撮られたが、Aさんは他人に見せることを許すはずもなく、交際解消後は男に削除するよう求めていた。ところが、男はLINEでしつこく復縁を迫り、ついには「リベンジポルノの罪は軽い。罰金50万円払えば人の人生狂わせられる」と脅迫した。
 Aさんは、恐怖で涙したことを一生忘れられないと供述した。今後、いつどこで他人に自分の裸を見られるかと思うと恥ずかしくてたまらず、男への厳しい処罰を望んでいる。

母が用意した10万円

 リベンジポルノについては男が自供したことで、初めて具体的な被害が特定された。検察側はこれに触れた上で、それでも被害者の弱みにつけ込んだ悪質性は高いとし、懲役2年6月を求刑した。
 弁護側は、男の母親が示談金として10万円を弁護人に預けていること、謝罪文を作成していること、後悔してすぐに投稿を削除したため被害が抑えられたことなどを挙げ、執行猶予付きの判決を求めた。(謝罪文は送付先の関係で未発送。)
 判決は、懲役2年執行猶予4年であった。被害者の恐怖は察するに余りあり、データの公開が短時間とはいえ影響は大きいという理由である。
 最後に裁判長は、「よくない事案です。自分でよく考えて、今後はこうならないようにしてください」と、まだ若い男に語りかけた。

 被害者の特定を避けるためあえて情報を伏せているが、公判の中で、写真を見た者が被害者と接触する可能性はかなり高いと感じた。拡散されてしまったものは取り返しがつかない。せめて、被害者がさらに苦しむことのないよう願ってやまない。

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