阪急京都線の特急に乗ると欲情する前科9犯の痴漢魔(迷惑防止条例違反)

迷惑防止条例違反
  • 大阪地方裁判所:第3刑事部1係
  • 罪名:迷惑防止条例違反

今回の内容

 あえて「今回の」内容としたのは、前科9犯の内容がすべて性犯罪であり、うち直近2件が迷惑防止条例違反で、再犯可能性が非常に高いから。後で詳述するが、更生の余地がない人間でも出所させざるをえない現状はなんとかしてほしいもの。
 住所不定無職の男(61)は阪急梅田駅~十三駅の特急列車において、座っていた女性(20)の横に座った。当時は平日の昼間であり、空いていた車内ではこの時点で男の動きが怪しい。
 男はまず、列車の揺れに合わせてこぶしを女性の太ももに当て、やがて撫で回し始め、あげくスカートをまくりあげようとした。ここで女性は男の腕をつかみ「降りろ!」と言うも男は手を振りほどいて駅構内を逃走。助けを呼ぶ声に気づいた付近の男性によって取り押さえられた。

それは武勇伝でない

 法廷では乙号証(被告人の身上経歴、供述調書など)は概要しか読み上げられないが、本件ではかなり詳しく被告人の発言が紹介された。
 曰く、「これまで1000回以上痴漢したが99%捕まっていない」「自分がしていることを示すため、満員電車ではしない」「快感を感じている女性にしかしない」「じぶんはして『あげている』」云々……
 前回の裁判は、執行猶予中の犯行で実刑に処せられたらしい。そのときに電車に乗らないと誓いを立てたらしいが、男はどうも、阪急の特急に乗ると痴漢したくなるそうだ。
「もう関西に住まなかったら?」と弁護士が提案すると「そうします」と素直に応じた。

喜劇の法廷

 前回も前々回の裁判でも、被告人はカウンセリングを受けると発言しているが本人は「覚えていない」と主張。刑務所内でのカウンセリングは強姦などを犯した人間が受けるため自分は受けなかったそうだ。自分のやっていることは軽いと思っているらしい。被害にあった女性はこの先電車に乗れないかもしれないというのに。
 出所後にカウンセリングを受けようとしなかったのか、という検察官の質問に「受けようとは思っていた」と回答。覚えてるじゃん。しかも受ける気ないじゃん。
 どのような反省をしているのかと続いて尋ねられ、「女性の横に座らない」「電車に(もう)乗らない」などと答えたが、最終陳述で「これからは普通電車に乗る」とオチをつけていた。
被告人「歳が歳だからもうしない」
検察官「前回とそんなに歳変わらないですよね」
 といったやり取りも。出所した後は富田林でカウンセリングを受けるつもりらしい……関西じゃねえか!

結果

 被害者が厳罰を望んでいる上、被害弁償がない点を指摘して、懲役1年6ヶ月が求刑され、弁護側は寛大な処分を求めるにとどまった。
 判決は、懲役10ヶ月(未決勾留日数20日を参入)の実刑となった。
 主文が読み上げられた途端、男は「ありがとうございます」と頭を下げた。「半年と少しでまた痴漢できる」……そんな裏を読み取れそうな瞬間であった。

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