このブログ、雑記ブログのつもりが法廷ブログになりつつあるので、一応例を挙げておくと、「ストリップガールが、多数の観客の前で陰部を露出する等の行為は、公然わいせつ行為に当たる」(最決昭30.7.1)という判例があります。
つまりはいつ摘発されてもおかしくはないわけで、追い打ちをかけるように性的娯楽も多様化し、ストリップ劇場はその数を激減してしまいました。
失われつつある文化を見ずして芸術を語れるのか。作家・ライター魂に火がつき、大阪市内にある東洋ショー劇場にお邪魔しました。

どうしてしまったんだ、僕は!
……とまあ、高尚な理由もあるにはあるのですが、一番の理由は自分自身にあります。諸事情ありまして、僕は1ヶ月間H禁止なのです。それどころかG行為も禁止です。
最初の3日間は「さりとて問題ではあるまい」と構えたのですが。人間、愚かな生き物なので禁じられると余計に興味が傾くのですよね。しまいにはエッな夢まで見ました(激痛で目が覚めました)。
そこで、性的好奇心を満たしつつもソフトな体験がなにかを思案した結果、ストリップを見に行くことにしたのです。これが大正解でした。
観客の様子
1日3500円で何度も公演を観れる超お得なシステムに驚きつつ、僕は劇場に入りました。すでに2人目のストリッパーが踊っている最中で、手拍子の鳴り響く中、花道横の上手側2列目の席に座ります。
客層を見ると多いのはやはりオッサンなのですが(※僕は違う)、単独で来ている女性が5人ほどいました。昨今の状況で着席禁止の席も設けられ、100人超の客席数に客入りは半分といったところでしょうか。つまり1割は女性。女性ファンって実在するんですね。
表現の幅に多様性がありすぎる演目
1公演2時間15分で5人の演者が踊るわけなのですが、どの子も個性が光ります。
終始アップテンポでクラップと笑顔を誘うもの、しっとりした曲調にストーリー性を感じさせるダンス、しまいには琉装で現れて三線で弾き語りを始める女性まで……。
三線を初めて生で聴いたのがストリップ劇場になるとは想像だにしなかったです。
ここまで、エロとはかけ離れていますが、一応ダンス終盤ではみなさん裸体をあらわにします。しかしそれは健全な肉体美を披露するものであって、いたずらに興奮を煽るようなものではありません。
……しかし続きがあります。各演者は踊り終わると一旦舞台から去って、「オープンショー」なるもののためにラフな格好で再登場するのです。
なにをオープンにするかといえばアレなのですが、目の前で御開帳を受けたオッサンは、おひねりを渡すと手を合わせて拝んでいました。気持ちはわかるぞ。
ちなみに、先ほど紹介した琉装の女性はオリオンビールのTシャツで登場しました。笑顔がまぶしくてファンになりかけましたね~
撮影タイム
ショーが終わると撮影タイムです。劇場が用意したコンデジで客が女の子を撮り、あとで劇場側がプリントアウトして渡すというものです。いわば地下ドルのチェキ……!
今は感染予防としてツーショットや握手が自粛されていました。観客も必ずアルコール消毒をするなど、対策は万全でしたね。
ちなみに女の子の格好ですが、着衣も全裸もなんでもありです。僕は撮影の列に並びませんでした。だって、恋人に写真が見つかっていらぬ誤解を招きたくないですもん。
出会い、くれ(女の子の友人がどんどん結婚していく今日このごろ)
はたしてストリップショーはわいせつなのだろうか?
わいせつ物頒布等(刑法175条1項)の判例として、わいせつ性の定義に下記の判例があります。
「わいせつとは、いたずらに性欲を興奮又は刺激させ、かつ、普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するものをいう」(最判昭26.5.10)
前述の判例同様、戦後まもなくの判例です。
現在、退廃的なエロコンテンツが溢れているなかで、ストリップショーこそ広く衆目を集めるべき文化なのではないでしょうか。「生」の美しさ、異性への敬意、心温まるコミュニケーション。映像に毒された人々へのカンフル剤を担う存在だと、僕は思います。
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