交際相手の長男の胃を破裂させた男(監禁、傷害、器物損壊)(小野乙-きのと-)

器物損壊
  • 大阪地方裁判所:第1刑事部合議係
  • 罪名:監禁、傷害、器物損壊

監禁について

 小野乙(27)は交際相手の長男(3)を家のトイレに押し込め、両腕をベルトで縛って出られないようにし、監禁した。被告人は無罪を主張したが、交際相手の証言の信用性を認定し、有罪となった。

傷害について

顔のアザについて

 長男の顔の右部分に広範囲のアザなどが見つかった事件。弁護側は車の走行中に急ブレーキによってぶつかった跡であると主張したが、保育士が撮影していた写真を法医学者が確認したところ、「柔軟な鈍体による外力」によるものとし、特徴的な点状の傷が指の関節によるものとした。よって被告人によって殴られたものと認定された。
 ちなみに被害者の「きのとにほーんされた」という供述は3歳という年齢を考えると肯定も否定もできないとした。また、被告人が急ブレーキの際の様子を具体的に供述できていないことも弁護側の主張を否定する理由の一つに挙げられた。

外傷性胃破裂について

 被告人の実家にて、男がひとりで長男をあやしているときに、腹痛を訴えたため病院に向かったところ、消化管穿孔が疑われ他病院に移送。860mLもの食物残渣が噴出し、実際に2ヶ所の穿孔が確認された。よって全治1ヶ月の重傷を負うこととなった。
 原因として、作用面が柔軟な鈍体によりみぞおち辺りを圧迫したことが挙げられ、つまりは被告人による暴力という結論に至った。また全身に古いアザが多数見つかっている。
 弁護側は転倒によるものとし、被告人も「浴室からドンという音が聞こえた」と供述したが、前述の通り転倒ではありえない傷害のため退けられた。被害者の「お風呂でおさえた」という証言は前記理由を鑑み、用いない決定がなされた。

結果

 2ヶ月間に3度の暴行をはたらき、被害児童の受けた心身両面の苦痛は計り知れなく、庇護されるべき幼い児童への犯行は悪質。前科もなく今後の監督を誓った者もいるが実刑は免れないとして、懲役3年(未決勾留日数300日算入)となった。
 器物損壊だが、交際相手の弟が所有する原付バイクのブレーキオイルを抜くという危険な嫌がらせである。公判をすべて聞けず、関連性がわからないのは申し訳ない。

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