イケメンだろうがヤクには走る(覚醒剤取締法違反)

覚醒剤取締法違反
  • 大阪地方裁判所:第12刑事部3係
  • 罪名:覚醒剤取締法違反

 目下継続中の新型コロナウイルス感染拡大に伴い、裁判所でも法廷にいる全員がマスク姿である。よって被告人もマスク姿で現れるのだが、意外や意外、眉太で彫りの深いイケメンが登場した。
 もちろん男だろうが女だろうが、若くても年寄りでも覚醒剤に一度でも手を伸ばせば欲求は止まらない。全国の公判請求トップは窃盗なのだが、ここは大阪。毎日どの時間でも覚醒剤取締法違反で裁判が行われている。そしてその大半は再犯だ。
 ところが今回の被告人(26)、初犯だった。正直覚醒剤は多すぎて普段聴きに行かないのだが、たまたま行ったらマスクが無くてもさぞやイケメンだろうな……という被告の登場と相成った。

犯行概要

 大手量販店の駐車場において、車内でフェニルメチルアミノプロパン(メタンフェタミン、商品名ヒロポン)を鼻から吸入(使用)、警察官による職務質問を受け、0.123gの粉末を発見(所持)、任意で採尿したところ、上記物質が検出されたために逮捕となった。

いかにして依存症となったか

 初犯ではあったが、使用自体は以前から続いていた。
 友人が使っていたのを「ちょっとだけ1回やってみよう」と興味本位で試してみると、ゲームがいつもより楽しくなったといい、以降はゲームをする直前に毎回使用するようになってしまった。
 薬物のリスクは承知しており、いつかはやめようと思っていたがブレーキが効かなくなったと供述している。
 被告人は24才と若いため、弁護人も検察官もタメ口で質問していたのが印象的だった。特に検察官が「薬物について勉強したほうがいいですよ」とアドバイスしていたのは興味深かった。

両親の反応

 父母共に情状証人として出廷。2人とも事件について驚いたといい、「行動に変わったところはなかったのに……」と述懐している。面会した際には父子・母子どちらも泣いたそうだ。父親は、早めに捕まってよかったと思ったという。

判決

 検察側は懲役1年6ヶ月を求刑。弁護側は執行猶予を求めた。
 判決は、懲役1年6ヶ月執行猶予3年だった。
 前科前歴が無く、反省文を提出しており、両親の保護下にあるため、社会内での更生がふさわしいとの理由だった。
 施設や互助団体などをうまく利用して、薬物依存から抜け出せるよう期待している。

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